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鎌倉ライフリッチ研究所 Ver 3.70 | 人生を、豊かに生きよう。

ようこそいらっしゃいました。スローライフの聖地鎌倉へ移住して7年。グローバルビジネスやM&AどっぷりだったR40が一念発起。 ベンチャーでの仕事を通じた日々のビジネス視点だったり、観光に役立つ鎌倉の美味しいグルメ情報やイベント紹介をしてまーす。プロフィールはこちら(http://profile.hatena.ne.jp/hase263lich/)から。

おススメ本『日本人が知らない日本医療の真実』アキよしかわ 著

読んだ本

アキよしかわさんってだれ?

「国民に平等に医療を提供する」という発想が下敷きとなって生まれ育った素晴らしい日本の医療制度が、いま、金属疲労を起こしている。

(第1章:日本型医療の危機)

スタンフォード大学教授時代に7年間率いた医療経済学講座から、後に有名になった教え子が国内外で数多く排出されており、結果として医療経済学分野では名博士(名伯楽)と言われている、医療従事者だったら一度は聞いたことがあるかもしれない方である。

日本人が知らない日本医療の真実

日本人が知らない日本医療の真実

 

2010年に書かれた本書だが、「高齢化」がすごい勢いで叫ばれ、そして進むことを実感する中で改めて読み返してみて残しておきたいと思ったので読み直し。 

ぼくらは病院、というか医療システムに無自覚すぎるのか

普通に生活を送るビジネスマン、それもおそらく40代くらいまでは病院の種別なんてあんまり気にしないはずだろうな、と思う。両親や家族が3大成人病にかかって初めて、「病気による入院」という突然の環境変化や、そのプロセスをすこしばかり把握する、そんな状況なのではないだろうか。でも、こんなこと、ニュースなんかを見て考えたことはないだろうか。

なぜ日本のがん患者は最新の薬を使えないのか? なぜ日本の病院は、赤字なのにつぶれないのか?

そこから、調べてみてもらって病院への基礎的理解は進めてもらえると、読みやすいと思う。いちど関心をもって調べ始めた人には、グイグイと惹きつけられる「引力」がある。それは、2016年になった今でも色あせないのは、アキさんの筆力と、緻密な論旨の運びだと思う。

本書は急性期病院のアメリカ・日本の比較を通じて今後の主にDPCをテーマに、医療システムを比較検討するかたちで病院のあり方を論じる。

 

ただ、著者を良く理解していないと少なからず誤解を招くかもしれない。
こちらを読むと少しは理解が深まると思う。

 

寿司と医療改革〜情報化時代と医療ビッグバンvol.4〜

 

当時のスタンフォード大学時代の教え子であるジェイ・バタチャーヤ(Jay Bhattacharya)氏(現在スタンフォード大学医学部経済学科准教授)、ビル・ヴォート(Bill Vogt)氏(現在ジョージア大学経済学部准教授)が語る、著者についてのコメントも興味深い。

www.ghc-j.com

 スタンフォード大学と言えばYahooやGoogle、YouTubeを生み出した情報活用を研究する世界一の大学であるが、医療においても「Health 2.0」と言われる医療ICTを利用した新しい医療システムのあり方を世界に向けて発信してたりする。その「Health 2.0」発案者マヒュー・ホルト氏はアキさんの教え子である。

 

いわゆるビジネスマンからすると、「へーこういう人がいるんだ」という印象ではないだろうか。それだけでも面白いけど。本書のなかでは、日米比較による改革の必要性を説くだけでなく、日本人に対するメンタリティの変革を促す箇所もあって、こういう箇所は非常にぐさりとくる。

治療技術の進化や、技術革新は時として想像していなかったような医療費の高騰を招くことを、政策立案者は理解し、それを国民に説明していかなければならない。国民はそのような事実を理解し、決断せねばならない。治療技術革新の恩恵の下、我々は個人として、社会として、その恩恵をどのように受け止めてゆくのかを考えなければならないのだ。(中略)医療費は上昇する。なぜなら技術は進化するからだ。「医療費は安ければいい」という短絡的な発想では、これからも高度化する医療を国民全員の財産として享受することそのものが論外となる。

(第5章:日本医療の新しいビジョンを描く)

ビジネスマンだったら、病院の体質・構造を明確に指摘する、こういう箇所は「なるほどね」と思わせられるだろう。 

病院経営が先天的にコストに気付きにくい業態だからである。(中略)現在の国民皆保険制度からの出来高払いの環境下、病院経営者は収入を最大化することに努力してきた。会社で言えば、新入社員の時代から、それを仕事のやり方として教わってきてしまったようなものである。歴史的な経緯を考えれば、コスト感覚が他業界に比べて未発達であることを本人達の咎として責めるのは難しい。

もう一つの理由は、サービスラインが非常に多く、コストの発生パターンも非常に複雑なため、把握すること自体が困難であるという、病院経営独特の難しさである。B to Cでビジネスをしている製造業やサービス業なら、提供している製品やサービスはどんな大企業でもせいぜい数千といったところだろう。しかし病院では、DPCのコードで数えると、1病院で対応している診断分類は1000にも昇ることが珍しくない。日本のほとんどの病院は、従業員の規模的には中小企業である。職員が1000人にも満たない組織で、それほどのサービスを並行してこなしている病院がそこここにあるのだ。

(第4章:DPC時代に必要な意識改革)

 

変わりゆく日本の医療システムの指針になる一冊

 本書は、日本の外からDPCを見たもので、国内からアメリカを見るような視点ではない点が、非常に「斬新」なのだが、おそらくこれからはアキさんの指摘するような方向性で色々な改革が進むのだろうと医療業界に身を置くことになったぼくは、肌身で感じる。

ただ、アメリカの病院間の競争は、医療費の高騰をもたらしたがアウトカムが他の先進諸国並みなので、結局は膨大なムダがあるのではないか、であったり、州別の詳細な分析も期待したいところ。アメリカだって現在の医療システムが完全であるわけではないのだ。日本は日本独自の医療システムを、グローバルな競争力を持ってどう作れるかが本当に問われるこの20年なのだろう。

この本を読んで、見直そうと思ったのはこちら。多面的にいろいろ捉えるとより理解が深まる。


マイケル・ムーア最新作「シッコ」予告編(日本語)-SiCKO Trailer(JPN)

 

Health Economics of Japan: Patients, Doctors, and Hospitals Under a Universal Health Insurance System

Health Economics of Japan: Patients, Doctors, and Hospitals Under a Universal Health Insurance System

  • 作者: Aki Yoshikawa,Jayanta Bhattacharya,William B. Vogt
  • 出版社/メーカー: Univ of Tokyo Pr
  • 発売日: 1996/10/15
  • メディア: ハードカバー
  • この商品を含むブログを見る
 

 

日本医療クライシス「2025年問題」へのカウントダウンが始まった

日本医療クライシス「2025年問題」へのカウントダウンが始まった

 

 

急性期医療の機能分化と急性期病院のあり方 に関する調査研究 報告書 

http://www.kenporen.com/include/outline/pdf/chosa22_03.pdf

 

今後どのように日本の医療提供体制の再編を進めていくべきか

国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野教授 高橋泰

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia251016/4.pdf

 

日慢協BLOG —- 日本慢性期医療協会(JMC)の公式ブログサイト

 

【レビュー】『呼吸で心を整える』倉橋竜哉 著

読んだ本 レビュー

レビュープラスさんからご献本いただき、読了。

献本いただくまで、ぼくは倉橋竜哉さんのことを存じ上げなかったのだけど、ブザン公認マインドマップインストラクターでもいらっしゃって、いわゆるB2C向けだけでなく、B2B向けのセミナーや講習も積極的に行っておられる、いわば「内部整理の達人」なのだ。

 マインドマップも呼吸法も、自分の思考や感情をどれだけ客観的に整理し、クリエイティブな発想や行動に向けて活用すべき重要なツールだとおもう。その意味で、これまでのぼくはマインドマップはガリガリ使ってきたけど、呼吸法はそれほど意識的に使ったことはなかったので興味深く読ませていただいた。

呼吸で心を整える (フォレスト2545新書)

呼吸で心を整える (フォレスト2545新書)

 

 で、読了後。

なるほど!と思った最大のことは、「呼吸を使い分ける」ということだった。

章立てにあるのだが;

 

  • 第2章:前向きな「ため息」が、緊張感を和らげる――【ゆるめる呼吸】
  • 第3章:数えて呼吸するだけで、集中力が高まる――【数える呼吸】
  • 第4章:イヤな気持ちをリセットする技術――【歩く呼吸】
  • 第5章:頭の中に浮かんだ雑念を吐き出す――【声を出す呼吸】
  • 第6章:イライラや怒りを鎮める方法――【鎮める呼吸】

 

本書は、これらの手法を、なぜそうすると良いか、どうやってやるのかを実践的にイラストなども使って説明してくれている。また、体験者の声を多く盛り込むことで、どのような生活シーンで実際に使っているのか、を更に説得力あるものにしてくれている。

これまで、ぼくは「呼吸」といえば、「座禅」「瞑想」などのように、時間を確保して集中する方法は行ったことがあるのだけど、上記のようなパターンに分けて使う方法は試したことがなかった。

さっそく、第3章の「数える呼吸」を仕事中に試してみたんだけど、実際たしかに、呼吸に集中したのは数分(1分くらい?)で、その間にかなり雑念は整理されたような気がしている。何というか、呼吸というツールを使って、邪念をそぎ落とすような感じである。 

この本、もちろん年齢・性別を問わず有用な内容だけど、いちばん有効なのは、育児中のパパ・ママなのかもしれないなあと思いながらプレゼントにもよいのではと思いを巡らされた一冊だった。


著書「呼吸で心を整える」(倉橋竜哉)の紹介

 

続けるための唱えごと:「だからこそ」

 

早起き、ジョギング、勉強、日記・・そしてブログ。

習慣化を図ろうとしてもなかなか継続できないことがらって沢山あると思う。

そもそも、習慣化しようとした時には、明確な目標や「ありたい姿」みたいなものがあって始めたはずなのに、ふとしたきっかけで、いつのまにかおざなりに。

目標に向かい続けるのは、それが長期的なものであればあるほど、そして自分の情熱(=精神力)が一過性であればあるほどに難しい。

ぼくの場合は、これまでは以下のやりかたでその継続を図ってきた。

  1. 意識すべきライバルを設定する
  2. 続けようとした際に邪魔をするものやことを排除する

1. はわかりやすいはず。身近な存在でもいいし、イチローのような存在でもいい。

2.はちょっと伝えにくいけれど、例えば「ジョギングをする時間だ。でも車も洗いたいし読書もしたい・・」というような場合の、洗車や読書みたいなことがらを、「気にしない!」と自分に言い聞かせるような感じ。

ただ、これでも続けられなかったことが沢山あって、なんでだろうと考えて実践してみようと思ったのがこの;

「だからこそ」

である。やりかたは簡単。単に、迷いがでたときに頭の中でつぶやいて反芻するだけ。

例:早起き

自分:ああー寒いしもうちょっと寝ていたい・・。

→ だからこそ!

→ だからこそ!

→ だからこそ!

 ・・これだけである。

これをするようにしてから、何というか自分がなぜそれをやろうとしているのか、やろうと決めたのかを都度思い出してメゲずに実践できるようになった。

年始から始めた、とあることがらもうまく続いている。

いぜんこちらで紹介した「これは脳幹トレーニングだ!」と組み合わせて、ぶれることなく、成したいことの実現に向けて活用してみることにする。

誕生日。42歳。ふりかえりとこれから。

日々のできごと プロフィール キャリアとか

 

これまでは、年始に抱負を書き、誕生日に気構えを書くなど重複しながらも自分の思いをブログに綴っていたのだけれど、なんだかマンネリ化しているので今回はちょっと趣向を変えてみようと思う。

 

今の自分が、当時を振り返った際の整理のためのメモとして。

 

商社:仕事自体は面白かった。収入も悪くない。一つの業界スペシャリストとしてやっていく覚悟を考えたとき、自分の関心の方向性とはちょっと違うような、迷いというか、そんなものを感じながら仕事の面白さだけで突っ走っていたように思う。

自分で仕事をコントロールする、というよりは、まさに一員としてエキサイティングな環境に身を投じている実感をやりがいと感じていた(自分の年代で、こんなことやってるやつはいないだろう、的な)。ただ、当時の不況で商社がバタバタ潰れて行く中で、「このままではいけない」と脅迫的な思いが自分を捉えていたような気がする。

 

家電メーカー:仕事自体は面白かった。収入も悪くない。ただ、大企業の管理職となってゆく際の自分が、仕事に楽しみを覚えられるかどうかという不安があった。自分の年代で同じことをやっている人とたくさん繋がりを持つと同時に、相対化する自分を見ながら「この会社のなかでどうしてゆくか」を考え始めるようになった。そして、自分の「在り続けられる姿」をイメージできなかった。

 

コンサルティングファーム:仕事自体を面白いとは、実はあまり感じなかった。収入は良かった。ただ、毎日終電・タクシー帰りと言うだけでなく、労働集約的な現場のあり方など、そもそもの「仕事のしかた」がフィットしなかったんだろうと思う。

自分より能力の高い人と一緒に仕事をしながら、自分の差別化ポイントは何なのか、を常に悩みながらアウトプットを出してゆくような感じ。そこに、自分の限界を感じたのだろうか。

 

そして現在(医療系ベンチャー):仕事自体は面白い。ただし、収入は激減。行政・自治体への提案やコラボレーション、医療機関で実際の患者さんがぼくたちの道具を使って良くなってゆく様子を見ると、貢献している・役に立てているという実感がある。業務時間としてはコンサルファーム未満、家電メーカー以上というところ。もちろん土日も仕事をしたり、仕事のことを考えることは多いのだが、人生の一部のような感じがあり、考えていてもあまり憂鬱になることは少ない。自分で仕事をコントロールしているからか。自分の差別化ポイントとか、あまり考えなくなった。

 

こうして書いてゆくと、人間、「やりがい」を感じられれば所得が低くても(短期的には)くさくさせずに仕事をできるものなのだなと思う。では、「やりがい」とは本当になんなのだろうか。ぼくは、それは「生きる覚悟」に基づくものではないかとさいきん考えるようになった。漠然と社会の枠組みや会社の枠組みで生活している中で、個として埋没するような恐怖感や無力感を感じるから気が重くなる。それは、自分の中に「覚悟」のようなものがないからだとも言える。自分は「こう生きていく」という、誰かにひけらかすようなものではなく、静かな強い信念こそが、逆境にも耐えうる「核」を作るのだろうし、それはすぐにできるものでもない。色々と経験を積む中で、自分にとってその時の最善を選択しながらでなければ、そうした「生きる覚悟」を決めるための判断軸も備わらない。

いまのぼくは、ちょっぴり「生きる覚悟」みたいなものが備わってきていて、そして社会がどう評価するかでなく、自分が満足できるかに向けて、日々を「満足基準」で送りたいとも思う。

 

 

『もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1』ビジネス・ブレークスルー大学総研編著

レビュー 読んだ本

レビュープラスさんより献本頂き、読了。

 

コカ・コーラの米国本社、ローソン、NTT、UBER(タクシー配車のネット企業)、任天堂、東京ガス、沖縄県、イオンをケースとして、「過去の成功事例」ではなく、「いま進行中の」経営課題を抽出して、(解答例として)大前氏が提言を行ってゆく内容。

もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1(大前研一監修/シリーズ総集編) (ビジネス・ブレークスルー大学出版(NextPublishing))

もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1(大前研一監修/シリーズ総集編) (ビジネス・ブレークスルー大学出版(NextPublishing))

  • 作者: ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所,大前研一
  • 出版社/メーカー: good.book
  • 発売日: 2015/10/23
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
  • この商品を含むブログを見る
 

使える!

各ケーススタディには該当する企業のサービス分析や経営数値に加え、市場や環境変化予測などをまとめたパワポ資料がふんだんに使われているのだが、この分析と整理の方法だけでも十分に参考になる。とくに、販売戦略や経営企画を仕事にしているひとにはうってつけの内容ではないだろうか。

(BBTの学生のみなさまが苦労されて資料化したり、ファクトを積み上げている様子が目に浮かびます。)

未来予測が秀逸

また、大前氏による各ケースに対する提案も興味深い。本書の骨格をなしている思想が「Real Time Online Case Study(リアルタイム・オンライン・ケーススタディ=RTOCS)」なので、「未来を見据えて、現在に提言する」内容となっていないといけないのだけれど、その「未来設定(将来予測)」が、どのケースでもうなづくことの多いシナリオになっていて、そこから時には非常に大胆な施策提案を行う内容になっている。なので、業界は違っていても、読者の所属する企業でも応用が十分できる「思考方法」のトレーニングができるのではないだろうか。あまり書くとネタバレになってしまうけど。大企業からベンチャーまで、幅広く企業体を取り扱っているのもありがたいところ。

組織につてももっと言及がほしいところ(わがまま言ってすみません)

さいごに、本書が経営課題としての「次の打ち手は何か」を議論するために構成された内容なのでしょうがないと言えばそうなのだが、組織変革も含めてほしいと言うのはわがまますぎるだろうなあ。これらの打ち手を実行してゆこうとすると、当然のことながら組織体に手を加えて、実現可能性を議論してゆく必要が出てくるはずなので、そのあたりは別の書籍とかでも、オンライン上でもいいのでぜひ拝読してみたいとおもうところである。

 

久しぶりのドイツ出張、つれづれと

出張あれこれ 出張ごはん(国内・海外) 旅の記録
往復入れて9日間、ドイツへ出張してきた。
約2年ぶりなので、自分がどう感じるのか非常に楽しみだったのだけど、予想以上に得るものが多かったように思う。
 

まず、フライトで、眠らなく(眠れなく)なった。

これまでの場合、座席に座って即落ちする感じで、目が覚めたら「おめざめですか」のフセンが目の前に貼ってあることが多かった。往路はそれに近かったんだけど、離陸する景色を見ながらの復路では、「寝落ちする」ような感覚が全くなかった。疲れすぎていたわけでも、ラウンジでお酒を飲み過ぎていたわけでもないんだけど。
40を過ぎると、体質が変わるというのはこういうところにもくるんだろうか。
前職の部長たちが「おれは寝ないからね」と豪語していたが、眠れない体質になってたんじゃないかな、と今更ながら思ったりする。あ、それと、つとめて体調に気を配るようにもなった。現地の仲間と夜通し飲む、ということも意図的に避けるようになった。
 

日本を相対化して捉える感覚が減った。

これまでの海外出張だと、仕事をしながらも、フリーの時間に見て回ったり過ごす場所を通じて、日本との比較を意識的にも無意識的にもすることが多かった。それが、海外で過ごす、なによりいちばん大事なことがらだと考えていたのだけど、なんというか今回は「日本という場所をいちいち意識せずに、行動して」いた。なんというか、行動するのは自分自身なので、もう日本とか海外とか関係ない、とでも言うような感覚だった。かっこよくいうと「場所に制約されない」感じなのだが、鎌倉に居を構えて「ここがぼくの住みかだ」と強く思うようになったことと無縁ではないだろうなあ、とも思える。
 

何かに遠慮することが少なくなった。

ポジションは当然違うけれど、組織に属しているのは今も昔も変わらない。
ベンチャーに身を置くためか、「用意された何か」を期待することがなくなった反面、全てにおいて自分で「前乗り」な感じで行動をするような意識を持つことが多かったのが今回の出張だ。これまでなら、打ち合わせをしていれば現地のVIPや日本側の要人の腰を(多少)担ぐようにお話をお膳立てする環境だったけど、そんなオブラートは誰も必要としてないし、ぜんぶぶっちゃけ話で進めてしまえ!みたいな感覚である。
偉そうぶっているわけではない。なんというか、主体性を自分に戻した、そんな感覚である。
 
今のベンチャーに身を置くなかで、次の海外出張がいつになるのかはちょっと想像つかない(自分で計画しててもね)のだけど、今度行く際にはまた違った感覚を持つことができるのではと、今から楽しみだったりする。
 
さて、明日からまた国内を走り回る生活にぐいっと戻る訳だけど、なんというかもう国内も海外も関係ない感じ。苦も楽も、満喫しながらのこり1年を過ごしたい、そんな風に思わせるドイツ出張だったなあ。
 
(以下は出張中の画像:よろしければぜひご覧あれ)
 
イベント会場まで直通の駅。ドイツでは、よくある風景。

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会場で出の、典型的なランチ(しかも5泊連続)。いま見直しても胸焼けが(笑)。
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立ち寄った、ケルン大聖堂。モノトーンな重厚感が、いつ見てもすごい。
(なかのパイプオルガンやステンドグラスもすごい)
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ケルンまとめ。ライン川、平日だったけれど人がくつろいでいて、なごむわー。
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ドルトムントで有名なツリー。まだライトアップされてなかったけれど、装飾はほぼ終わっていた。グリューワインが大変においしかった。
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エッセンの駅にて。ヨーロッパって、パンがうまいんだよねと思い直させる一枚。
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フリーの時間に訪れてきた、世界遺産。ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群。
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からの、絶景。ザ、ドイツ!な感じ。
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そして帰路のラウンジ。ドイツのラウンジは(ルフトハンザだけど)お酒も食事もうまい。アメリカの各空港とはおおちがい。
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【レビュー】「この方法で生きのびよ! ―沈む船から脱出できる5つのルール」鈴木博毅 著

読んだ本

レビュープラスさんから献本いただき、読了。

この方法で生きのびよ! ―沈む船から脱出できる5つのルール

この方法で生きのびよ! ―沈む船から脱出できる5つのルール

 

 

ぼくは、生きのびようと思ったことはない。

むしろ、完全燃焼して命を全うしたいと願いながら、日々を、ぐうたらに過ごしてしまうことがある矛盾を孕みながら、それでもいいやと即時的な感じでけっこう、自分の「生」を認識している。だって人間だもーん。

ただ、生きのびる、というのは地球に生まれた生物として必須で最低限の要件でありつつも、その切実性を突きつけられると改めて厳しい言葉だなあとおもう。
「あなた、生きるに価する人間になりたいですか?」みたいな問いかけだと思う。

しかし、である。

とりわけ医療・介護系のベンチャーに身を置くぼくからすれば、「生きのびる」とか「キャリアステップ」のような考え方がどんどん薄れてきていて、誰の尺度でもなく、これからは「個の独自性」が社会にどうやって貢献をもたらすことができるのか、充実感とは何か、とか、より内面に向かって考えることが増えてきた環境のなかで読み進めると、本書は「振り返り」という意味ですごく有意義な内容が多かった。

生きのびるとはどういうことなのか。

本書では、個人をとりまく変化として「5つのパラダイム」をいわゆるフレームワーク(氷山)として設定しながら、それに対する「生きのびかた」を論じる内容になっている。

具体的に言うと;

  1. 「代替」:過去のあるものを全く新しい何かで置き換えてしまうこと
  2. 「新芽」: これまでになかった全く新しいものが生み出されること
  3. 「非常識」: これまでの常識感が180°覆ってしまうこと
  4. 「拡散」:ある分野に留まっていたものが一気に社会に広まること
  5. 「増殖」:ある特定のものが拡大して世界を覆う様になること

つまり、環境要因として起こりうるこれら5つの「迫り来る氷山」に対して、どうやって生きのびたらいいのか、という内容なのだが、いまのぼくたちは企業に属する身として、個人としても職業人としてもこれら5つの要因に対応できる能力を身につけなければならないのだ、という警鐘を、事例とともに示してくれている内容と言ってよい。

 そして、5つの氷山だったり、その事例は、しごくもっともな内容なのである。

ただし、である。迫り来る「氷山」にたいして、読者が得る「切迫感」がちょっと少ないなあと感じさせる点がちょっぴり残念。

 

よくわかるのだ。

 

わかるのだが、5つの氷山は現代固有のものでもないし、本書に示してある事例は最新のものが多いので「そうかー、そういう”切り方”ができるのかー」と参考にはなるのだが、それ以上にならないのは、編集力なのかもしれない。

 

40を過ぎた、「おれはこうして生きてゆくのだ」と決意を固めたおっさんが読むには少々ものたりない。

30代の、脂の乗り始めた時期なら、「なら自分はこう変えて行こう」と意を新たにするかもしれない。

20代で、よくわからない(本書の内容を)の時期だと、まだ手に取るには早いかもしれない。

 

・・閑話休題。本書は、個人・地域・社会・世界が大きく変容するなかで「自分」がどうあるべきかを、原則的に示そうとする、ある種の意欲作だと言えると思う。

そして意欲作だからこそ、なのだが、ぼくの読後感はちょっぴり厳しいものになったことをお許しいただきたい。

ルールがあれば脱出できるわけではない。

そこから脱出したいと願うひとは、いつの時代も、その人の根源的な価値判断に基づいて行動を起こすはず。それがなにか、を気づかせるような、フィードバックループをつくるような結論であれば「腹落ち」したのだろうと思う。

 

参考書として有用な一冊。